1). 吹奏楽作品「聖なる約束の地へ( For the Promised Land )」 


  先日、さる市民吹奏楽団に所属されている方よりコメントをいただきました … そこには目を疑う内容が書かれてありました。その楽団がある作曲家の先生にコンクール用の作品を委嘱したのですが、完成したその委嘱作品が、『聖ブレンダンの航海』を主題とする吹奏楽作品だったのです。

  これを知ってたいへん驚いた管理人は、さっそく作曲者の坂田雅弘先生に連絡を試みました。後日、坂田先生より丁重なお返事があり、うれしいことに( むしろ恐縮 )、この拙サイトをご覧になって受けた印象にもとづいて、「聖なる約束の地へ( For the Promised Land )」を作曲されたとのこと。ほんとうにびっくりしました。

  この場をお借りして、この吹奏楽作品について貴重な情報を提供された楽団員の方、ならびに坂田先生には心より感謝を申し上げますと同時に、お礼を述べさせていただきます。ありがとうございました。m( _ _)m

  なお、作曲者の坂田先生の公式サイトはこちらになります( リンク先は、坂田先生の作品一覧ページです )。


1). 21世紀版「ブレンダンの航海」出航! 


  拙ブログ記事でも書いた、21世紀版ともいえる「ブレンダンの航海( Ionramh Bréanainn )」プロジェクトがついに始まりました! これは6世紀以降、「アイルランドのケルト船乗り修道士」たちが北大西洋沿岸に残した偉大な霊的遺産をあらためて辿りなおしてみようとする試みです。プロジェクト発起人は45フィートの帆船 Ar Seachrán 艇長 Paddy Barry 氏、そして本サイト特別顧問の Breandán Ó Cíobháin 博士の両氏。航海の詳しい日程は、こちらの記事ページからダウンロード可能です。文書の内容は基本的には個人的にいただいたものとおなじですが、日程が若干、変更されています。目的地はアイスランドで、当地にてディクイルが記述したような「夏至」を体験したり、また↓でお知らせした新発見の洞穴調査をしたのち、アウター・ヘブリディーズ諸島経由でアイルランドへ帰国する予定です。アイルランド帰港予定は、7月8日とのことです。

関連リンク:

Ionramh Bréanainn プロジェクト公式サイト

ディングル地方紙 Kerryman の関連記事1

その2

  5月26日現在、時化のためドニゴール州の港町バートンポート (Burtonport) へ避難。天候回復しだいスコットランド・インナーヘブリディーズ諸島のコロンゼー島 (Colonsay) へ向けて出港予定。

  追記:本航海プロジェクトはぶじ終了しましたが、当の Ó Cíobháin 博士はこのほど米国にてブレンダン関連の講演を行うなど、多忙をきわめておられます。その後の経過については追って連絡するとのことで、いましばらくお待ちください。アイスランド再訪計画も考えているとのことです。

New ! Ó Cíobháin 博士の快諾を得て、同博士の「ブレンダンの航海」趣旨文の日本語訳をこちらにて掲載いたします(ただし、まだ作成中。固有名詞表記など不明な点についてはこれから問い合わせるため、一部原語表記のままになっています。ご了承ください)。

2). アイスランド発:ついに中世初期キリスト教時代の遺構発見か?!


  本サイト特別顧問(…と、管理人が勝手にそう思っているだけなんですが) Breandán Ó Cíobháin 博士の友人 Kristjan Ahronson 氏がこのほどアイスランドにて中世アイルランドの船乗り修道士が生活していたと思われる洞窟を発掘調査した、という情報が入ってきました。詳細はÓ Cíobháin 教授が来たる5月16日、「聖ブレンダンの祝日」にスケリグ・マイケル島から『聖ブレンダンの航海』の航跡をたどる航海に出発するとのことで、続報を期待したいところです! 

3). ブレスト帆船祭にアイリッシュ・カラフ参上!


  2008年7月11-17日にかけて、仏ブルターニュ半島の軍港ブレストで開催された4年に一度の国際帆船祭に、アイルランド共和国から同国を代表する伝統漁船カラフ(カラハ)の船団も参加しました。舟とともに帆船祭に参加したのは北西部メイヨー州クルー湾のカラフ乗りたちで、一般見学者は大テント内に設けられた専用ブースでアイルランドやカラフを紹介したビデオを見たり、カラフ乗りたちによるパフォーマンスを楽しんだということです。
⇒ ブレスト帆船祭2008公式サイト

4). 聖ブレンダンをテーマとした新作アニメ映画か?


  アイルランド・フランス・ベルギー合作で、Brendan and the Secret of Kellsというアニメーション映画が現在製作中という話を目にしました。内容は不明ですが、ことによると『航海』も下敷きにしているのかもしれません。

[ 2014年9月追記 ]:その後、この作品の日本語版が11月下旬に、アイルランドのANÚNA という混声コーラスグループの来日公演を記念した上映会にて公開されることがこのほど判明しました! 
  あいにくブレンダンはラテン語版『航海』の主人公の修道院長ではなく、『ケルズの書』に魅せられた少年であり、この少年の冒険物語、という筋立てのようです( リンディスファーン修道院創設者の聖エイダーンは出てきます )。

公益財団法人 三鷹市芸術文化振興財団 関連サイトへ

5). 沼沢地から8世紀の詩編写本発見!!


  2006年7月20日、アイルランド中部ティペラリー州ファダン・モアの泥炭質の沼沢地で、初期アイルランド教会の写本が発見されました。

  発見はまったくの偶然でした。この沼沢地を掘り返していた重機を運転していた作業員が写本発見と同時に工事を中断、すぐ埋めもどすとアイルランド国立博物館に連絡。このため出土した写本は短時間のうちに博物館へと運ばれて応急保存処置を受けることができました。

  このきわめて貴重な写本の発見は、多くの幸運にも助けられました。まず酸素のほとんどない泥炭質の沼地に沈んでいたこと。これにより微生物による分解・腐朽が進まず、写本を理想的な状態で保存していました。また泥炭生成の源であるミズゴケが微生物の繁殖じたいを抑えたこと。第一発見者の作業員と、この土地の所有者ともに貴重な遺産にたいする知識をもち、写本が空気に触れる時間を減らすためにいったん写本を埋めもどしてから国立博物館に至急来るように連絡したこと、などです。

  国立博物館によると、今回発見された写本は8世紀から9世紀初頭にかけて製作されたと推定され、ヴェラム革の表紙のついた、20ページからなる大判のコーデックスであることが判明しました。これほど古い時代の写本発見は200年ぶりだと言います。

  写本に書かれていたのは「詩編」でした。発見当時、ウルガタ版による詩編番号83(現在の詩編番号では84)の書かれたページが開いた状態で、革表紙から中身が飛び出した形で出土しました。なぜこの沼沢地に1200年ものあいだ埋もれていたのかは不明ですが、研究者の見解では、おそらくノースメンの略奪にあった近隣の修道院共同体から避難してきた修道士が、この沼地に落としたか、あとで掘り起こすつもりでここに沈めたかしたのではないかとのことです(この沼地の近隣地域にはテリーグラス Terryglass[ティペラリー州], バー Birr, ロラ Lorrha[ともにオファリー州] などの修道院共同体がありました。バーは「クロンファートの聖ブレンダン」ともつながりがあると言われる、もうひとりのブレンダンのいた場所です)。

  アイルランド国立博物館は今後2年かけてこの写本の修復と復元作業にあたり、作業が終わりしだい「初期キリスト教時代」ギャラリーにて写本を一般公開する予定です。

  この「世紀の大発見」については、今後管理人blogでも取り上げていく予定です。

  関連リンク集 :

6). 聖ブレンダン杯ヨットレース


  今年(2006年)から隔年の予定で、米国東海岸メリーランド-アイルランド・コーク間の北大西洋横断ヨットレースが開催されるそうです。⇒ 公式サイト
 レース開始点は6月3日、米国星条旗と国歌ゆかりの地メリーランド州の港市ボルティモアのマクヘンリー要塞国定史跡沖の湾口からで、ゴールはアイルランド南岸コーク近郊のボルティモア。ボルティモアどうしということで企画した…というのもあるかもしれません。

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